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2013年2月1日金曜日

園田監督辞任

日本の女子柔道を担う選手たちに連名で暴力行為を告発された監督が辞任の意向を表明した。  選手たちを精神的にも追い詰めた監督に指導者を続ける資格はない。  告発されていたのは、警視庁所属で全日本女子監督の園田隆二氏だ。記者会見で「私の行動、言動で選手に迷惑をかけたことを反省している」と謝罪した。柔道界の信頼を失墜させた責任は重い。  ロンドン五輪の代表を含む15人の選手が昨年12月、「暴力とパワーハラスメント(職権による人権侵害)を受けた」とする告発文書を日本オリンピック委員会(JOC)に提出したことで「事件」が表面化した。  選手たちは五輪の強化合宿などの際、園田監督と男性コーチから素手や竹刀などで暴行を受けた。不服を訴えると、「代表から外すぞ」と脅されたという。  JOCから告発文書を受けた全日本柔道連盟(全柔連)は、監督からの聞き取り調査の結果、告発内容はほぼ事実だと判断した。  園田監督を巡っては昨年9月、強化選手1人に暴力を振るったとする情報が全柔連に入った。監督は事実を認め、選手に謝罪したことから、全柔連は、問題は決着済みと認識していたという。  全柔連は当初、園田監督をリオデジャネイロ五輪まで続投させる方針だったが、告発にまで至った選手との間に、信頼関係を築けるはずもなかった。  15人の告発まで事態を把握できなかった全柔連の危機管理能力の欠如は深刻だ。15人が全柔連でなくJOCに告発したのは、全柔連への不信感からと言えよう。  柔道は、日本のお家芸とされ、五輪では「勝って当たり前」という風潮が強い。それだけに、指導者も、他の競技以上に重圧を感じるに違いない。ふがいない試合をした時などには、厳しく指導することもあるだろう。  しかし、選手が暴力やパワハラと感じる行為は、どのような場合であっても許されない。  大阪市立桜宮高校の体罰問題を契機に、スポーツの指導現場での暴力に、これまで以上に厳しい目が注がれている。  指導者から殴られたことを「愛のムチ」と感じた選手が、教える立場になると、同じように暴力を振るうという「暴力の連鎖」はないのだろうか。  下村文部科学相は、柔道以外の競技についても、JOCに実態調査を指示した。スポーツ界全体で総点検が必要だ。 (2013年2月1日01時17分 読売新聞)

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